地球防衛軍艦艇史とヤマト外伝戦記(宇宙戦艦ヤマト二次創作)

アニメ「宇宙戦艦ヤマト」(旧作、リメイクは問いません)に登場する艦艇および艦隊戦に関する二次創作を行うために作成したブログです。まだ作品は少なくブログ自体の体裁も整っておりませんが、細々ながら書き込んでいきますので楽しんで頂ければ幸いに思います。

このブログは、筆者ことA-140が、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」(旧作、リメイク版は問いません)の二次創作として制作しているヤマト世界の地球防衛軍の艦艇史、および本編で描かれていない、あるいはもっと盛り込んだほうが面白いと思われる艦隊戦について創作を行うために開設しました。

筆者はリアルタイムで旧作を見たファンというわけではない(厳密には3歳のときに映画館で完結編を見たようですが)ですが、幼児期からヤマトに親しみ、それが嵩じて軍艦ファンになって現在に至った人間です。そのためヤマト世界に主に1945年以前の海軍史(知識の関係上、日本海軍に関係したものが多くなりそうです)を持ち込んで色々考えながら創作を行っています。

もしヤマトという作品に出合わなければ、人間関係など私の人生は大きく違ったものになったはずで、色々な意味でこの作品には感謝し切れません。その気持ちを大事にして、自分なりのヤマト世界を広げて楽しませていただき、同時にこのブログを訪れた読者の皆様にも楽しんでいただければ幸いに思います。

なお、旧作リメイク問わず本編の設定を自分の考えで弄ったり、両方を混ぜて新しい設定を作るなど行うこともありますが、筆者はどの本編であろうと否定するつもりは一切なく、単に「ヤマトが好きだから、自分でその世界を描いてみたい」というスタンスで創作を行っています。特定個人や組織、作品に対して批判や不満などは一切持ち込まずに創作を行っていますので、その点はご了承いただければ幸いです。

遅筆にてどのくらいの頻度で更新できるかわかりかねる部分はありますが、どうぞよろしくお願いいたします。

なお、表示の関係で記事を個別に読むと前後編などの場合、後編から読むことになるようです。カテゴリーからは順番に読めるよう設定してありますので、左のカテゴリーから各記事をお読み頂ければと思います。

 「敵艦見ゆ、艦影多数、右舷4時より近づく」

 冥王星宙域。第一艦隊旗艦「キリシマ」艦橋で様々な報告が飛び交っているが「彼」は……名を明かすのは後のこととして、この言葉に特に耳を傾けていた。

 (さあ、どれだけ来る?)

 いずれにせよ、こちらは22隻。これでも現在の国連宇宙軍にとっては最大、最強の宇宙艦隊ではあるのだが、目前に迫る敵に比べてあまりに非力であることは目に見えている。「キリシマ」艦橋の左前方に座る彼は、その職務ゆえにそれを理解し尽していた。

 艦種識別、という艦長の問いに、レーダー手の返答は絶望的だった。

 「超弩級宇宙戦艦1、戦艦7、巡洋艦22、駆逐艦多数」

 自艦隊の総力と敵巡洋艦の数が等しいが、この巡洋艦部隊だけでも真っ向から勝負すれば味方は全滅だ。それでもなお、敵はほぼ全艦隊を出撃させてきているように思える。あるいは今の味方の行動が「囮」であることを承知しているのかどうか。

 (まあ、用兵の基本ではある。未確認の敵には常に最大戦力をぶつける。そして我が艦隊は実質地球にとって最後の艦隊。こうなるのは当然だろうな)

 妙に冷めた頭でそう考える彼だが、これから自分が何をすべきかは理解している。

 「戦闘配置」

 艦隊司令長官の命令に続いて、彼もまた艦内通信で指示する。

 「各砲、左旋回。距離7千5百、相対速度変わらず。測的開始、仰角合わせ」

 彼は、この「キリシマ」の砲雷長。戦闘において砲雷撃戦を指揮するのが役目なのだ。

 「地球艦隊より返信『馬鹿め!』」

 照準を合わせていたら、通信士のそんな声が聞こえた。恐らく降伏勧告でもあったのだろうが、今ここにいる長官ならそう答えるしか選択肢はないだろう。1年ほど前から「キリシマ」に砲雷長として乗り組んで以来この長官に仕えているわけだが、そういう強い信念の持ち主なのは承知している。
 敵がこの応答に砲撃で答え、何隻かの味方艦が爆発する。たった一斉射で1隻ずつ沈んでしまうのだが、味方が不甲斐ないのではない。敵が「悪魔と言うしかないほど」強すぎるのだ。
 
 「まだだ」

 長官の一声で、射程外なのに打ち返したくなった自分の衝動を抑える。そして、程なくだった。

 「敵艦、射程に入った。照準よしっ!」
 「全砲門開け、テーッ!」

 命令一下、彼は射撃用の引き金を引く。緑色の光線が深緑の敵艦に向かって進んでいく。

 (……どうなるかは、目に見えているがな)

 彼が思った瞬間、宇宙空間ではあり得ないにも関わらず、金属を叩いた音が聞こえたような感覚を覚える。それくらい見事に味方の砲撃は敵の光学装甲に弾かれていた。
 敵の攻撃は激しさを増し、次々と味方艦が沈んでいく。しかし、彼にはその光景を見ているだけの余裕はない。貫通せずともひたすら射撃し続け、敵の光学装甲だけでも少しずつ削っていく。そうすれば、いつか僅かながらでも反撃の機会は訪れるはずなのだ。

 (うっ!)

 いつの間にか、自分の乗る「キリシマ」が被弾したのは分かった。しかし、自らの左脇腹から妙な痛みを感じるまでには、いくばくかの時間を要した。
 そっと左手を当ててみると、手のひらが真っ赤になっていた。

 (くっ……こんなところで)

 まだ、自分は死ぬわけにはいかない。この「キリシマ」に乗る長官や艦長、そして自分を含めた多くの乗組員には、この戦いから生きて帰ってするべきことがあるのだ。

 「ヤマト計画」。

 それに参加するために「彼」こと現「キリシマ」砲雷長、堀田真司二佐は死ぬことが許されないのだった。



 そうこうしているうちに「キリシマ」も被弾が相次いでいた。仮にも戦艦であるから、他艦のように簡単に爆沈しないだけましではあるが、このまま戦闘が長引けばいずれどうなるか目に見えている。しかし死ぬことはもちろん許されないが、役目を果たすまではこの戦場を離れることもできないのだ。
 負傷していることを悟られないように、堀田は気力を振り絞って各砲塔へ指示を飛ばす。

 「落ち着け、敵の光学装甲は確実に削れている! このままいけばいずれ反撃の機会は必ず訪れる! 砲手、観測所の各員、決して諦めるなっ!」

 この声に、司令長官である沖田十三と「キリシマ」艦長の山南修の双方が驚いた。日常だろうと戦闘時だろうと、自分たちの知るこの砲雷長はこんな大声を発するような人間ではなかったからである。しかし、戦局はそれに構っていられるような状況ではなく、二人とも何も言わなかった。
 だんだん、堀田は意識が遠のきそうだったが、それでも引き金からは決して手を離さずに引き続ける。そして、待ちに待った声が聞こえた。

 「司令部に暗号を打電、天の岩戸、開く」

 沖田のその声は、この作戦で第一艦隊が果たすべき役割を果たしたということであり、同時に堀田もまた決断を下していた。

 「長官」

 今度は沖田や山南が知る、いつもの堀田の冷静沈着な声だった。

 「意見具申、これより砲雷撃による機動戦にて敵の陣形を崩し、戦場離脱の足掛かりとしたく」
 「許可する」

 沖田の声に応じ、山南が命令を下す。

 「砲雷長は敵艦隊の攪乱に入れ! 航海長、最初のミサイル発射後に直ちに最大戦速、敵艦隊を攪乱せよ!」
 「「了解」」

 航海長と堀田が同時に応答し「キリシマ」は8発のミサイルを発射し、これが光学装甲を削られたガミラスの小型艦に幾ばくかの損傷を与える。
 そして「キリシマ」は急加速と転舵を繰り返し、堀田もそれに合わせて命令を出す。

 「艦首魚雷、全門発射。その後直ちに二番砲塔は砲撃、敵の隊列を崩せっ!」

 これまでの、ある意味で単調だった砲撃戦とは違う急速機動。そしてこの機動あってこその堀田の戦闘指揮だった。彼の専門は宙雷、20世紀初頭から続く日本海軍、そして国連宇宙軍極東支部、実質日本宇宙海軍のお家芸たる雷撃戦こそが本領なのだ。

 この「キリシマ」の機動で、一瞬だけ敵艦隊の足が止まった。

 「第一艦隊は現時刻を以て作戦を終了、撤退する」

 その沖田の命令が出た直後、レーダー手が声を上げた。

 「左舷上方より敵駆逐艦近づく、速いっ!」

 艦橋に居た全員が視線を上に向けたが、その後ろに味方艦がいた。

 (「ゆきかぜ」)

 それが誰の艦か、堀田は知っている。こんな大胆な追跡戦をやる、やれる艦長は、もう地球にはそれほど多く残っていなかった。
 その「ゆきかぜ」が、見事に魚雷で敵駆逐艦を撃沈した。

 (古代君……君らしいな、助かったよ)

 心の中で礼を述べた、その次の瞬間だった。

 (う……)

 急に、堀田は自分の意識が途絶えそうになる感覚を覚える。何とか立て直そうとするが、もはやかなわないことだった。

 「砲雷長っ! 軍医、ただちに艦橋へ!」

 そこまでは聞こえたが、次に目が覚めた時、堀田はもう担架の上だった。

 「堀田君」

 沖田が声をかけてきた。

 「長官、申し訳ありません。堀田二佐、いったん下がらせていただきます」
 「しっかりするのだ。君には、まだやってもらわねばならんことがある。ここで死んではいかん」
 「……承知しております。あの艦に、乗らなければなりませんから」
 「……」
 「長官、いえ……沖田さん」

 思わず、姓で呼んでしまっていた。

 「万一、私にもしものことがあれば……後は古代君に任せてください。彼ならきっとやり遂げられます」
 「……わかった」

 その場の全員が「ああ、砲雷長は『ゆきかぜ』がどうなったか知らないのか」と悟った。

 「では、いったん……失礼いたします」

 右手で敬礼した次の瞬間、再び堀田の意識は失われ、それが戻るまでにひたすら長い時間を要することとなった。



 目が覚めた途端、自分が何をしているのか全くわからなかった。視野に入ったのは「キリシマ」の病室ではない真っ白な天井、そして自分がベッドに横たわっていることに気付くのに、堀田はいくらかの時間を要した。

 「自分は、何をやっていたんだ?」

 周りを見渡すと、医者がいる。しかし、その医者は自分の知る、そして敬愛する沖田の主治医ではなかった。

 「先生!」

 いきなり堀田に大声で呼びかけられ、医師は驚いたようだった。

 「ここはどこですかっ! 今はいったい、いつですか!?」
 「やめんか、堀田」

 今度は聞きなれた声が聞こえる。堀田にとっては航宙軍士官候補生学校の学生時代の恩師であり、沖田と並んで現在の地球で生き残った提督たちの中でも屈指の艦隊指揮官だ。

 「土方さん。ヤマトは、ヤマトはどうしましたかっ!」

 堀田の動揺ぶりとは対照的に、土方竜、現空間防衛総隊司令官はあくまで冷静な趣きだった。

 「ヤマトが発進してもう一週間になる。しかし、あの船に乗艦できず運が悪かったと嘆いてもらうわけにもいかん」
 「えっ?」
 「ヤマトの発進前に、坊の岬沖の基地がガミラスに露呈し、攻撃を受けてそこにいた要員は壊滅した。お前が「キリシマ」で無事だったら、恐らくそこで助からなかっただろう」
 「……」

 つまり、もし「キリシマ」で無事でも生きていられなかった、ヤマトに乗ることは叶わなかったということである。だが、今の自分はこうして生きている。これはどういうことか。

 「自分は、死に損なっ……」
 「馬鹿もん!」

 久方ぶりに聞いた、土方の叱咤だった。

 「この状況で死ぬことに逃げるのは俺が許さん。お前は生き残った。ならば、地球が救われるまで生き残った者としての務めを果たせ」
 「……」
 「その様子なら、治りも早いだろう。退院したらすぐ司令部に顔を出せ。ヤマトが発進してから、ただでさえ足りない人手がますます足りなくなっているからな。悠長に休んでいられては困る」
 「……はい」

 答えて、堀田はベッドから起き上がって土方に敬礼した。

 「堀田真司二佐、退院次第、直ちに国連宇宙軍司令部に出頭いたします」
 「よし、待っているぞ」

 言って、土方は去っていく。しかし、その背中を見送る堀田の心境は複雑だった。

 (ヤマトにも乗れず、仲間達からも死に遅れ……そして、大切な人はもういない。自分は、これから一体何をするべきなのか。何かできることがまだあるとでもいうのか)

 このとき、堀田は知る由もなかった。

 「死に損ない、ヤマトに乗り損なった」自分が、それ故に地球防衛軍の士官としての運命が大きく変わり、そして彼の知らないところで、多くの人々の運命もまた変えることになる将来を。
 だがそれは、人類滅亡までおよそ一年に迫った2199年の現在においては、到来するかどうかもわからない未来の話でしかなかった。


(筆者より 題名がどこかで聞いたような…と思われる方がいらっしゃるであろうことは理解しておりますが、筆者は実のところ「とある魔術~」「とある科学~」のどちらも視聴したことがありません(後者の主題歌は両方好きでよくカラオケで歌いますが)。そのため題名だけ参考にするような格好になってしまったことを両作のファンの皆様に深くお詫びいたします)

地球型波動機関の研究と完成

 2199年、ヤマト発進。このことで「これで地球は救われる」と市民レベルではそうした雰囲気も散見されたが、当時の国連宇宙軍にとっては「新たな戦いの始まり」でしかなかった。
 元々「メ2号作戦(ガミラス冥王星基地攻略作戦)」はヤマト計画の一部に組み込まれてはいたが優先度が低く、太陽系に残留するガミラス軍への対処は、基本的にはメ号作戦で残存する艦隊戦力の大半を消耗した国連宇宙軍の役目だったからである。そして彼らには、少なくとも地球本土への直接攻撃を防ぐ、またヤマトの帰路を確保するために、冥王星基地を壊滅させられずとも太陽系ガミラス軍の戦力を可能な限り漸減することが求められていた。

 2198年にイスカンダル王国から波動機関の設計図がもたらされる以前から、地球でもガミラスの鹵獲艦を用いた波動機関の研究と試験が行われていた。特にガミラス軍と国連宇宙軍との絶望的とも言える艦艇の性能差は波動機関の有無であることは明白だったから、技術本部としては何としても波動機関の製造、量産にこぎ着けるため最大限の努力が払われていた。
 しかし、設計図を入手するまでは、文字通り地球にとってオーバーテクノロジーであった波動機関を地球で量産するなど夢物語にすぎず、図面を得たことで研究自体は加速したものの、まず波動機関に必要な希少金属の調達、そして波動コアのコピーに全く見通しが立たない以上、波動機関搭載艦の量産など途方もないことだった。そして、当然のことながらこの時期は「ヤマト計画」のための宇宙戦艦「ヤマト」の完成が最優先であり、2199年のヤマト発進まで、地球型波動機関の研究は実質停止に近い状況であったと伝えられる。

 しかし、ヤマトが出撃した以上、地球には波動機関を搭載した艦は一隻も存在しない。そして波動機関を搭載していない艦も、メ号作戦を生き残った戦艦「キリシマ」の他は僅かな巡洋艦と駆逐艦のみで、これらだけではガミラス艦隊の一分隊すらまともに相手にできる見込みはなく、ヤマトが土星圏を脱出した直後、国連宇宙軍首脳部はある決断を下すことになる。

 「鹵獲したクリピテラ級駆逐艦の機関を流用し、新造艦を一隻建造する。これを以て護衛艦とし調査船団を編成、木星圏のガミラス基地跡地と土星衛星エンケラドゥスを調査、技術調査と希少金属、物質の採取を行う」

 この「新造艦」は、後に「A型駆逐艦」と呼ばれるグループの原型となる小型艦だったが、鹵獲品ながらも波動機関を搭載することによって、ヤマトの副砲として採用が検討されていた(実際にはより大口径の試製九九式20cm陽電子衝撃砲が採用されていた)九八式15.5cm陽電子衝撃砲の連装砲を2基搭載することが可能になっていた。これなら計算上、ガイデロール級戦艦はともかくデストリア級重巡洋艦までなら何とか対抗可能と判断されていたから、もし敵艦隊に遭遇しても船団の護衛任務は十分に果たせると考えられていた。

 この新型艦は当面駆逐艦として扱われることになり、建造はヤマト建造の際にいくらか物資の余剰が発生していた極東地区(日本)が担当した。艦名は乗り組み予定の乗員たちから公募され「神風」。まさに国連宇宙軍極東地域の乗組員たちが命がけだったことが伺える。
 そして「神風」を護衛艦とした船団は、途中数度にわたってガミラスの小艦隊と交戦したものの「神風」の奮闘でこれを乗り切り、ヤマトの波動砲で破壊された木星のガミラス浮遊大陸の残骸調査とエンケラドゥスにおいてコスモナイト90、そして太陽系内に浮遊する様々な物質を最大限採取することに成功した。
 (なお、この船団による作戦は後に「エンケラドゥス急行」と呼ばれることになる)

 木星の浮遊大陸の調査は、波動砲による破壊の度合いが大きく調査の成果は殆どなかったが、エンケラドゥスにおいてコスモナイト90を一定量確保できたことに加え、たまたま発見されたエンケラドゥスにて放棄されていたガミラス基地(ヤマトはこれを発見できていなかった)で見つかった資料から、太陽系内に散らばる物質のいくつかを加工および合成すれば、イスカンダル製のオリジナルコアほどではなくても、ガミラスのそれと同等あるいはそれを上回る程度の波動コアの生成が可能だということが判明したのである。
 (木星の浮遊大陸やエンケラドゥスの基地などをガミラスが設けようとしたのも、これらの要素を研究するためだと現在は推測されている)

 この朗報は国連宇宙軍首脳部を狂喜させたが、既に調査船団の各船はもちろん「神風」も土星軌道までの航海で機関の疲弊が著しく、とても太陽系内の物質収集に使える状態ではなかった。そのため、この「たった一回の調査船団がかき集めた」使える物資すべてを投入し、国連宇宙軍は太陽系の宙域回復、並びにヤマトの帰路確保のために必要な艦艇の建造を決定した。

 これでは極めて少数の波動機関装備艦しか建造できないのは明白だったが、ヤマトがメ2号作戦を決行した結果、ガミラス冥王星基地が壊滅したことがこの時点で報告されていたため、例え少数でも波動機関、そしてその機関が可能とする砲塔型陽電子衝撃砲を装備した艦艇を揃えれば、残りわずかと思われる太陽系内のガミラス戦力の排除は可能である、と判断されたのである。
 (なお、この時点で「キリシマ」を始めとする既存の艦艇に波動機関を搭載することが放棄されたのは、万一地球オリジナルの波動機関が失敗した場合、機関換装工事を行った従来艦まで戦力として機能しなくなることを恐れたからとされている)


「レコンキスタ」作戦

 国連宇宙軍の号令一下、各地域の突貫工事によって以下の艦艇が建造された。

 試製A型巡洋艦 「エムデン」
 試製A型駆逐艦 「神風」(機関を地球仕様に換装)
         「ジョンストン」
         「グローウォーム」
         「グレミャーシチイ」

(この「試製」とは「後にその艦型のベースとなったため」に筆者がつけたもので、当時そう呼ばれていたわけではないのでご注意頂きたい)

 この5隻の艦隊によって、冥王星基地壊滅後にまだ太陽系に残っていたガミラス戦力(もっとも補給の問題で多くは既に脱出済みであったが)の掃討が決定され、作戦名は「レコンキスタ」(8世紀から15世紀に行われたスペインの国土回復運動にちなんだもの)と名付けられた。

 しかし、作戦こそ開始されたものの、まずこの艦隊は戦闘以前に、未だ熟成されていない、そして波動理論の習得もそこそこの機関科員が扱う地球型波動機関の不調に悩まされることになる。
 波動理論自体は、地球がこれまで持つ核融合反応などの理論と極端な違いがあるわけではないから知識として覚えることに大きな困難はなかった。しかしその運用となると話は別で、不安定、かつしばしば急停止や暴走を繰り返す試作段階の地球型波動機関の不調は目に余るものがあり、唯一、ガミラス型の波動機関を扱ったことのある「神風」の乗組員は他艦の機関不調の度に呼び出されることになった。このため「神風」の乗組員たちは後に「自分たちの艦はいつから工作艦になったのやら」と苦笑めいた回想を残すことになる。

 しかし、苦闘を重ねながら開発、運用された地球型波動機関は、イスカンダル製のコアを用いたオリジナルに劣るとはいえ強力だった。

 何より、これまでは現在の波動砲のような決戦用、あるいは限定的な運用しかできなかった陽電子衝撃砲が柔軟な使用に耐えうる汎用兵器に変化したことは、この作戦に参加した各艦の乗組員たちを大いに驚かせた。ある戦闘では他艦を偵察に出したため「エムデン」「ジョンストン」の2隻のみでデストリア級重巡洋艦5隻と交戦するという、かつての国連宇宙軍にとっては絶望的とも言える状況であっても、見事に返り討ちにしたこともある。こうした小規模な戦闘を重ねつつ、徐々に「レコンキスタ」作戦の参加艦の乗組員たちは自信を深めていった。
 そして、彼らの艦隊は最終的に11番惑星に存在したガミラス物資集積基地を破壊することによって「レコンキスタ」を完遂、太陽系宙域の回復とヤマトの帰路確保に成功。地球人類の滅亡を防ぐことに大きな貢献を果たしたのだった。


 こうして地球型波動機関の開発と「エンケラドゥス急行」「レコンキスタ」の成功により、国連宇宙軍、すなわち後の地球防衛軍はヤマトの航海と同様に波動機関とその理論を学び、今後の軍備に生かすことになるのだが、それらの詳細に関しては「地球防衛軍艦艇史」において各艦型を解説する際に譲ることとしたい。


(筆者追記 本文中の「レコンキスタ」作戦は猫又滋郎氏の「地球防衛軍駆逐艦史」の記述を作者が膨らませたものです。氏に感謝したく思います。また「我が家の地球防衛艦隊」様の影響を受けている部分もありますので(極力被らないように注意はしましたが)、同じくお礼申し上げます)

 2199~2202の流れで、ガミラスが民主化され旧作より一足先に地球の同盟国になり、国家元首がデスラーではなくなってしまっているわけですが、このまま2202が旧作2エンドでデスラーが自分の支持者を糾合して新天地を探す旅を始めたら、旧作「新たなる旅立ち」はどういう展開になるか。そして旧ガミラスとガルマン・ガミラス帝国は共存が可能なのか、ちょっと考えてみる必要があるかもしれません。
(あくまで私見でしかも2202未完結の現状では単なる妄想ですので、ご了承ください)

・大マゼラン星雲に暗黒星団帝国が攻めてきて、ガミラス本星とイスカンダルに同時に攻撃を仕掛ける
・ガミラス政府は地球に援軍を求めるが、ガトランティス戦役が終わったばかりの地球には多くの戦力を割く余裕がなく、ヤマト以下の小艦隊(これはPS2ゲーム版の感覚)を送る
一方、スターシャの危機となればデスラーも動かないはずがなく、大マゼラン星雲に乗り込んでくる
(ここで、最初のヤマト+民主ガミラスとデスラー勢力の接触で何が起こるかは、2202が完結しないと判断できません)
でも最終的には三者が共闘して暗黒星団帝国軍を追い払う展開になりそう(なおPS2版に従って筆者創作ではスターシャは生存ルートです)
再びデスラーを元首に、との声も上がるかもしれないが、デスラーは「自分は一度は臣民を裏切った身だ」とか言い出して新天地を目指し、民主化ガミラスとは別にガルマン・ガミラス(この場合、ガミラスが国名から抜けるかも)を建国する
民主化ガミラスとガルマン・ガミラスの関係は微妙かもしれないが、そこは地球(というよりヤマト乗組員)が間に入って戦争にはならない(といいなあ)。まあ大マゼラン星雲と銀河系中心部で領土が接触してないので大丈夫だろうと。

この論法なら一応は私家版「新たなる旅立ち」が成立するかな…いや、むしろ成立すればいいなあとか、成立させられるくらいの文章が書きたいなあ、という願望が先立ちそうです。あるいは2202が本当に旧作2エンドなら続編として公式が何か別のいい仕掛けをしてくれるかもしれませんが。

ヤマト関連の動画をツイッターで拝見する、自分の文章をアップして読んでいただくなどして、色々な方々と知り合うことができました。ブログの都合上、リンク先の詳細を書く場所がないようですので、この記事にてご紹介させていただきます。(なお、リンク先が増え次第随時この記事は更新していきます)

・「我が家の地球防衛艦隊」様 https://blog.goo.ne.jp/myedf
 筆者がかつて「実在・架空艦船工廠」という掲示板でヤマト創作をしていたのを読んで書き込みもいただいた方(しかしそのことを筆者は忘れていました、ごめんなさい)です。幅広いヤマト世界の艦艇の設定をなされていて、大変読み応えのある文章を書いておられます。動画の原作も手掛けていらっしゃるようで、筆者もヤマトⅢに登場する「アリゾナ」の設定と動画を参考にさせていただきました。

・「地球連邦軍広報局日本支部」様 http://www.geocities.jp/adm_paetta/index.html
 銀英伝、ガンダム、ヤマトなどの創作やゲームなどの紹介を行っているサイト様です。管理人様は銀英伝のパエッタ提督がお好きなご様子です。ここの「戦史資料室」にある猫又滋郎様の「ガミラス艦船史」「地球防衛軍駆逐艦史」「デスラー砲、開発とその運用」は私がヤマト二次創作を始めるきっかけになった作品で、一部世界観を共有している部分もあります。是非ご覧になってください。

・「コスモ・ウイングス」様 http://cwings.web.fc2.com/
 石山八十一様(T216様)が作成した、宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場する艦載機の開発史を扱っているサイト様です。こちら様の創作には私も関与させていただいており、主に艦名などを考えさせていただきました。当方の艦艇史と世界観を一部共有していただいているサイト様でもあります。コスモファルコンなど2199にも対応しており(2202のコスモタイガーはまだのご様子)、ヤマト世界の航空機ファン、ヤマトファンで実際の航空機も好き、という方に是非お勧めのサイト様です。

・A-140 Twitterアカウント
 ヤマト関連以外にも色々やっていますが、二次創作に関するアンケートを行うことも多いので、時折見てくだされば幸いです。

(A型戦艦(さらば、2の主力戦艦)については、筆者の別テキストにて説明する予定ですのでしばらくお待ちください)


A2型巡洋艦

白色彗星帝国戦役当時の標準巡洋艦。波動砲撤去はPS2ゲーム準拠です。なお、PS2ゲーム版には波動砲搭載巡洋艦が別にありますが、あれは波動砲に性能を振り分けて他の性能が低下しているため、艦隊ではなく拠点防衛専用と現状考えています(波動砲未装備=巡洋艦 波動砲搭載艦=砲艦 ということになるかと思います)


警備艇=改A2型パトロール巡洋艦

白色彗星帝国戦役時のパトロール艦(ただし、艦の全長は筆者設定で巡洋艦と共通化した関係で180m。さらば設定の150mパトロール艦には改A1型パトロール巡洋艦という別の呼称をつける予定です)。「警備艇」の名称は「Ⅲ」の公式より。こちらも波動砲は撤去されている設定ですが、本作では外惑星警備部隊所属の艦なのでⅢ本編と異なり、迷彩は白色彗星帝国戦役当時のまま(あるいは全く違う迷彩塗装かも)と考えています


A2型駆逐艦

白色彗星帝国戦役当時の波動砲未装備の駆逐艦。兵装は当時から変更がなく、恐らく居住性と遠洋航海能力がそれほど高くないと思われるので、太陽系防衛用の戦力として残存艦が維持されていると設定しました


改A2型駆逐艦

上記のA2型駆逐艦に大型魚雷(完結編戦艦や「冬月」の艦首にある大型発射管)の運用能力を与えた末期生産型(PS2ゲームに登場するミサイル装備強化型がヒントですが、装備は異なります)。恐らくC型駆逐艦の量産開始と共に建造は終わっていると思われるので、イスカンダル戦役から暗黒星団帝国戦役くらいまでの期間に建造された比較的少数のグループと設定しました



C1型駆逐艦

ベースは完結編駆逐艦。この形式の駆逐艦は完結編に登場したものとは他にバリエーションがあると想定していますが、この話で登場するのは艦尾の格納庫の代わりに前部と同じ40cm連装砲を装備し、舷側展望台の場所には短魚雷発射管を搭載する純然たる戦闘仕様の艦としました(これに格納庫と居住施設を追加した「冬月」など完結編登場艦を改C1型駆逐艦と筆者設定では呼称する予定です)


堀田真司宙将補

宙将補=自衛隊の海将補、というイメージなので他国で言えば少将相当。ツイッターに書いた「外伝用主人公士官」を具体化したキャラで、2203年時点で33歳というのは古代守、真田さん(2199設定)より1歳年長(1期先輩)ということになります
一応指揮官キャラなので「真に司る」という意味でこの字にしましたが、サッカー選手や2199で藤堂長官を演じられた声優さんと同じ字になったと気づいたのは設定が終わった後でした
(第3警備艦隊司令部、並びに各艦の艦長などはおいおい設定していきたいと思います)



ボラー艦隊の艦艇数
 参考にさせていただいたアリゾナの動画では1個打撃艦隊は250隻ということでしたが、第1、第2主力艦隊、ゴルサコフ艦隊と立て続けに失っているボラー連邦なので、さすがに大国とはいえこれ以上の戦力は動かせなかったのではというイメージで180隻としました(それゆえ敵の大将=デスラーを狙って機動要塞投入という賭けに出たとも考えています)

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